大学では半導体ウェハの非接触検査を研究してました。漠然と「何かものをつくる仕事がしたい」と考えながら就活を進める中で、興和という会社を知りました。歴史ある光学事業を有し、様々な分野で活用される光学機器を生み出していると聞き、「研究に欠かせないあの電子顕微鏡のようなすごい製品をつくれるのか」と興味を持ったのがきっかけです。その後、会社や事業のことを知るほどに志望度が高まっていき入社を決意。現在に至るまで光学製品の開発業務に従事しています。
組み込みソフトウェアの開発が私のメイン業務ではありますが、当該製品の主担当として量産化まで一貫してものづくりに携わっています。仕様検討から試作開発、評価・改良、量産立ち上げからアフターフォローまでといった具合ですね。
その中でも、やはりものづくりの醍醐味である「自分で設計したものが思った通りに動く喜び」は格別です。バグが見つかった時の根本原因を探ったり、他社製の機器と組み合わせた際に起こる問題の解決策を探したり・・・。大学時代からずっと取り組んできた「この問題はどういう仕組みで起こっているのか?」の原理を解き明かしていく過程を、社会人になってからも楽しめています。
これまでに様々な光学機器の開発に取り組んできましたが、入社2年目の時に手掛けた「自分で初めて設計した製品」が思い出深いですね。様々な規格のアナログ映像信号を受け取り、パソコンのディスプレイで表示できるRGB映像信号に変換して出力する映像変換機器で、会社としても初めての製品でした。
この装置の頭脳である画像処理用プロセッサの制御を担当したのですが、この制御が目のくらむほどの複雑さだったんです。当時はまだソフトウェアの組立経験も浅く、社内にも知見があまりない状態でしたから、手探りで進めるほかありませんでした。
制御ドライバを自作し、試作品の評価を行い、数値を調整し再度試験・評価してという地道な作業を何度も繰り返してようやく完成。実際に納入先への導入にも立ち会いましたが、喜びよりも「もっとこうすればよかった」や「次はこうしよう」といった気持ちの方が強かったですね。
さまざまな制約がある中、100%完璧な製品をつくることは不可能かもしれません。それでも私はいつか完璧な製品をつくりたい。初めての製品をつくってから十数年が経ちますが、その想いは今も変わりません。開発職は奥が深く夢のある仕事だと思います。
製品開発
新製品づくりは製品企画にはじまり、簡易見積・製品仕様作成、開発・設計、試作、検証・テスト、量産立ち上げの流れで行われます。私たちは開発・設計業務をメインにこれらすべての工程に関わる旗振り役として、関連各部署との連携を図りつつプロジェクトを完遂に導きます。
「効率的な開発」というのは非常に重要なテーマ。私自身、最適な段取りを考えて進捗させることを得意としており、複数の技術者や関連部署に対して「これをやっている間にこれを進めておいて」といった指示を出しつつ、最後に帳尻がピタッと合うようにマネジメントすることを意識しています。
効率化を楽しむのはプライベートでも同じ。例えば家事を例にすると、洗濯機を回している間に煮込み系の料理に取り掛かり、煮込んでいる間に洗濯物を干し、干している間に煮込みが完了する、といったプランを考え、それらが予定通りに運ぶと嬉しくなりますね。
所属部署や掲載内容につきましては取材当時のものです。