興和にはもともと親しみを感じていました。TVCMをよく見かけましたし、『ケロちゃん』『コロちゃん』も存在感がありますよね。また、ドラッグストアに並んでいる『キャベジン』『キューピーコーワ』は、何の薬かは分からずとも、子どものころから名前だけは知っていました。生活の身近なところに存在する商品をたくさん扱う会社、という印象はそのまま私の志望動機となり、OTC分野を配属希望するきっかけにもなりました。入社後は富士研究所に所属し、以来、固形剤の製剤設計に携わっています。
OTC医薬品は有効成分の組み合わせが確立されていることから、3、4年で上市できるものも多く、新薬開発と比べてリニューアルスパンの短い点が、私の性に合っています。イチから処方設計を担当した『キューピーコーワゴールドαプレミアム』がドラックストアに陳列されているのを見たときは感動しました。「入社したら、ガンガン仕事がしたい」という私の希望を、興和はまさに叶えてくれました。
製剤設計をするにあたって、有効性や安全性、製造性の確保はもちろんのこと、溶ける速さや飲みやすさなど実際にその薬を使う人のことを意識しています。品目によって製剤化しにくいものもありますが、課題に対し仮説を立て、それを立証していくことに面白さを感じています。また、興和では、製剤設計の次の工程にあたる工業化研究(実生産スケールでの実験)にも製剤研究者は関わります。工場や品質保証部、薬事部などさまざまな部署と協力しながら、1つの製品として販売できるところまで育て上げていくことになります。一つひとつの工程に責任がともないますが、最後まで自分の仕事を見守ることができるぶん、やりがいも大きいです。
研究が好きなので、引き続きこの仕事に携わっていたいですね。また、これまで培ってきた製剤技術のノウハウを後輩へ受け継いで行くことも重要な仕事の一つです。年次が増えるにともない、担当する製品数も増えていきますが、現状に満足せず、思い上がらず、毎回、初めて臨む気持ちで、仕事と向き合っていたいです。
製品開発部とは、有効成分の組み合わせの相談や開発スケジュールの調整を行う。製造する薬に使う成分や製剤設計手法が特許侵害していないか、新しく生み出した製品に関わる特許を取得できないかなどを相談するのが知的財産部、品質保証部には開発品や製品の品質管理について相談に乗ってもらっている。富士研究所での製剤設計、各工場での工業化研究を進めつつ、申請に関する資料の作成がスタート。承認申請書作成を取りまとめる薬事部と連携して進める。
1日の流れは、1年を通じてほぼ同じ。工場の生産に合わせて、夏期・冬期休暇前後に工業化研究を行う場合が多い。
実家が旅館業を営んでいることもあり、子供のころから料理には興味がありました。それもあって、家庭での土日は私がご飯を作ります。ご飯が炊きあがるまでに用意する品数と時間配分を決め、味つけや具材を入れるタイミングを図ることは、製剤設計と似ています。食後にビールを飲みながら、「明日は、さっきの料理と同じような手順にしてみよう」と、ふと仕事について考えることも。
3人の兄の影響を受け、子どものころからギターとピアノを続けてきました。大学時代は、バンドサークルに所属し、ギタリストとしてライブハウスのステージにも立ったこともあります。子どもが生まれた今は一転、親子の趣味として一緒に弾いて楽しんでいます。自分にとって一番の息抜きであり、リフレッシュできる時間になっています。
所属部署や掲載内容につきましては取材当時のものです。