統計解析チームは、医薬品開発におけるさまざまな業務に統計学の専門家として参加します。開発戦略の検討や臨床試験の計画、臨床試験のデータ解析、結果の解釈など、業務は多岐にわたります。例えば、臨床試験を計画する際には、必要な被験者の数を事前に決める必要があります。統計解析チームは、「この薬の効果をこれくらいだと予想すると、何人で臨床試験を行えば何%の確率で目指す結果が得られるのか」といった観点で、試験に必要な被験者の数を計算します。得られた結果からどのようなことが言えるのか、どのようなことが言えないのかをチームのメンバーに分かりやすく伝えることも、統計解析チームの重要な役割です。
興和では、グローバルな統計解析の拠点としてボストンにチームを設けています。ボストンに在籍する私の役割は、日米それぞれの統計解析チームと情報を共有し、両チームと協力して開発デザインの検討などを行うことです。また、アメリカのスタッフに対する統計教育も担当しています。大学院で生物統計学を専攻していた私にとって、現在の仕事は専門性を活かしながら社会に貢献できる、とてもやりがいのある仕事です。
私たちボストンの統計解析チームは、日本とアメリカの両方の開発に携わります。文化や仕事への取り組み方の違いなどもあって、アメリカのスタッフにとっては、日本での出来事が理解しづらいときもあります。そこで状況を共有する際は、起きている事象だけでなく、そこに至る経緯や背景まで伝えるようにしています。そうすることで議論が深まり、より良い結論を得ることができています。
アメリカのスタッフは感謝の気持ちを伝えるのが上手です。自身の仕事の成果が出たときも、「あなたのおかげでこの成果が出たよ」と、私に言ってくれるのです。私も少しずつ、同じように感謝を表せるようになってきました。日本に帰ってもこの習慣は続けていきたいです。
統計解析チーム(Bio Statistics)は、様々な国籍の方で構成されており、日々の仕事は英語で行っている。英語力をさらに磨き、コミュニケーションをスムーズにすることが今後の目標。
社内の有志メンバーによる勉強会に参加しています。論文などを輪読するその勉強会では、新しい知識を得られるだけでなく、他部署の方の考え方を知ることもできます。同じように、他社の方も加わった勉強会にも参加しています。勉強会の後には食事に出かけることも。プライベートで得たおいしい店情報が役立っています。
美味しい食事を楽しむことが好きで、ボストンでも、こちらの現地スタッフにおすすめのお店を教えてもらっては食べに行っています。ボストンは芸術やスポーツが暮らしに根付いた街です。美術館やコンサート、バスケットボール観戦と、積極的に出歩いて楽しんでいます。
所属部署や掲載内容につきましては取材当時のものです。